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コロナワクチン特許権放棄の重要性

暮らし

こんにちは、つばさです。

収束の見えない新型コロナウイルスですが、海外発のワクチンが日本でも普及しはじめました。

これからも長い付き合いになっていくと思われますが、2021年5月6日凄いニュースがありました。

米政権、コロナワクチンの特許放棄を支持 大手製薬企業は反発 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

どういうことかというと

バイデン政権
バイデン政権

ワクチン普及させたいから特許権放棄してや

会社
会社

頑張って作ったのにタダで技術渡せるわけないやろ!

WHO
WHO

バイデン政権支持するで~

今回はワクチンが製造される流れと特許権の重要性について製薬会社知財部の筆者が解説します。

この記事でわかること
  • ワクチンと特許の関係
  • 特許権を放棄するとどうなるか
  • 日本でも新型コロナワクチンが製造されるか
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特許について

特許とは

まずは特許とは何か簡単に説明します。

特許法第一条

この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

つまり、世の中で初めて何かを発明した人に「独占権あげるからその技術公開して」ということです。

凄い発明したらお金儲けのために技術を隠しておこうと思いますよね。

でも、その人が死んでしまったら技術が無くなってしまいます。

それでは産業が発展しません。

発展を促すために技術を公開してもらい、誰でも同じ発明ができるようにします。

公開するだけでは発明者にメリットが無いので一定期間独占権を与えます。

この独占権を「特許」と言います。

特許権の有効期限は20年

特許は、特許庁に書類を提出するだけではだめです。

「特許化したいです」と申告してやっと審査が始まります。その審査をパスすると権利化されます。

この間に特許庁とやりとりを行いますが、数年単位で時間がかかります。

出願してから特許化されるまでに10年かかった!なんてのはよくある話です。

しかし特許権のルールで特許の有効期限は出願の日から20年と決まっています。

つまり特許になるまでに10年かかると、残り10年しか有効期間がないんです。

だからどの企業も特許を取りたいものは、できるだけ早く権利化したいと考えています。

新薬(ワクチン)の特許取得まで

特許の基本的なことを抑えたところで、ワクチンの開発について簡単に説明しておきます。

ワクチンを含めた新しい薬(新薬)の大変なところは臨床試験をしなければいけないということです。

人に使っても問題ないことの証明です。

基礎研究から承認まで15~20年くらいはかかります。

一般的に臨床試験に入る程度で新薬の特許出願をするのが一般的ですが、出願から20年しか有効期間がないのに臨床試験などで10年以上費やしてしまうと特許権のうまみが消えます。

なので医薬品関係の特許権に関しては最長5年の延長が認められています。

なぜ特許権は重要なのか

最初に「特許とは発明を公開する代わりに与えられる独占権」だと説明しました。

もし他社がこの特許の内容を真似して製品を作った場合、特許侵害になります。

特許侵害になると、生産中止、製品回収、損害賠償請求など莫大な損失を被ります。

なので会社側は自社で作る製品が他社の特許に抵触していないかを調べたうえで研究や生産を行います。

市場に出てからでは遅いので。

簡単に言えば特許権は

ぱくり防止

の効果が非常に大きいのです。

特許権を放棄するとどうなる

では特許権を放棄するとどうなるのでしょうか。

これは簡単です。

特許の内容は全世界に公開されていますから、権利フリーで誰でも使うことが出来ます。

詳しい話は省略しますが、特許権は一度取ったら終わりではなく毎年お金を払って権利を維持する必要があります。

この維持費を払わないと勝手に特許権は消滅します。

また20年の有効期限が切れても消滅します。

その後は誰でも自由に使えるようになります。

これにより特許権消滅後に生産された医薬品はジェネリック医薬品と呼ばれます。

コロナワクチンの特許権放棄について

特許内容が確認できるため、特許権さえなければファイザーやアストラゼネカ製のワクチンと同様のものが製造できます。

コロナが蔓延しており一刻も早くワクチンを供給する必要があるため、特許権を放棄して誰でも作れるようにしてほしいという意見です。

しかしワクチンを作った側からしたら莫大な予算をかけて作ったワクチンなんだから商売しないとやってられません。

儲けるだけ儲けたいです。

なので特許権を放棄して誰でも作れるようにしてもらっては困るのです。

これが製薬企業側が反対している理由です。

日本産コロナワクチンの可能性

あまり詳しくないですが、すでに臨床試験のフェイズ2くらいまで進んでるらしいです。早ければあと2023年くらいに販売できるとか。

なので流通の観点では可能性は高いですね。

ただし日本では副作用などをかなり気にする国民性なのでより安全なものを作らないと訴えられる可能性もあるので慎重です。

これが日本がワクチン開発で諸外国に遅れを取っている理由だと思うので何とかしたいです。

さいごに

一時的とはいえ特許権を放棄することは企業の利益を捨てるようなものなのでなかなか考えにくいのかなというのが私の考えです。

もちろん放棄してみんなに生産してもらったほうが供給スピードは上がるので良いのですが。

今後も注視していこうと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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