こんにちは、つばさです。
日本には、中小企業が溢れています。
そして、中小企業には『ブラック企業』とまでは言えないにしても法律ギリギリ、もしくは社員を使い捨てのコマのように考えている会社があります。
ブラック企業=サビ残、長時間労働
とされていますので、多くの中小企業は『ブラック企業ではない』と思います。しかし、気持ちよく働ける環境が整っていないのは大企業より中小企業のほうが圧倒的に多いのも事実です。
今から紹介する事項は私が実際に新卒から5年間勤務した会社の実態です。
今は退職しましたが、退職するギリギリまで「給料は安いけどいい会社」だと本気で思っていました。
就職活動の段階ではなかなか気づけないので、もし自分の会社に該当するなら逃げることを検討してみてもいいかもしれません。
- ブラック企業ではないが、早急に転職を検討してほしい会社の特徴
特徴1:大卒と院卒で基本給が同じ
私は地方の大学院を卒業後、新卒で地元の会社に研究開発職で入社しました。
社員は150人、給料は月収20万程度だったと思います。本来ならこの段階で気づくべきですが、院卒にしては基本給が安いです。
しかし、私は大学時代は遊びと研究ばかりで就職活動はまじめにやっておらず、知識ゼロ状態でした。
内定出たのもここだけだったので仕方なく決めました。両親にはやめとけと言われましたね。
一応、求人には大卒と院卒で1万円ほど基本給が違う的なことが書いてあったので、大卒は19万程度なのだろうと思っていました。
4年目くらいに大卒の同期と話していて判明したのが、基本給が全く同じだったということでした。
普段給料の話はあまりしないのでわからない人も多いと思います。
しかも私のように奥手でそういう強いことを言い出しにくい人の場合、泣き寝入りになる可能性が高いですので気をつけましょう。
特徴2:昇給がない
誰に話してもやばいと言われます。
私の会社は、入社時が黄金期で売り上げが毎年信じられないくらい伸びていました。
そのため入社2年目に全社員一律で基本給が上がりました。
私はこれを昇給と勘違いしていました。
翌年から現在まで基本給は変わっていません。
私がこれに気づいたのは、入社20年目の先輩(平社員)と食事に行った際にふと聞いた質問でした。
私「先輩って給料どれくらいなんですか?」
先輩「手取り19万くらいかな」
私「・・・・」
絶句でした。その場には8年目くらいの先輩もいたのですが、手取り18万だといっていました。
ちなみに3年目の私も手取り18万くらいでした。
噂では、部長で手取り30万くらいらしいです。
昇給がない会社はやばい!
特徴3: 残業代は出るというスタンスだがほぼ出ない
残業代は満額出ます。
こう聞くと、おかしいことはないと思いますが実態は違います。
まず、出退勤はタイムカードで管理しているけど残業代の申請は紙じゃないと通りません。
定時から何時間遅れてタイムカードを押しても、申請が無いと残業代は出ません。
そして、この申請は部長の承認がいるのですがパワハラレベルで詰められます。
「君の仕事が遅いからだろ」
「次から残業しないためにどうするべきか考えて」➡報告➡「それは違うでしょ」
このやりとりが最低1時間、長いときで3時間くらい平気で起こります。もちろん定時後です。
例えば
17:30定時で19:00まで残業したとして、その後このやりとりを3時間すると帰れるのは22:00を超えます。
もちろんですが、このやりとりの3時間は残業申請できません。これは仕事じゃないと突き返されて終わりです。
なので、部署の全員は早く帰るために残業代申請をしなくなりました。
会社としては残業代は全額出すと言っているのに申請しないのは本人が悪い!という会社の言い分。
現在は、働き方改革により『紙の申請+タイムカードとの乖離がないか』を確認するようになりました。
すると残業時間がわかる!という甘いものではありません。
全員定時になるとタイムカードを押してサビ残が始まります。
何が悲しいかというと、部長の問題なのに課長以下管理職が何も言えず従っていることです。部長の顔色を見ないと何もできない悲しい人たちです。
ちなみに私は、この事実がわかってから残業自体しなくなりました。定時でさっさと帰るので、この問題とは向き合わなくなりました。
特徴4:人事制度だけは大企業レベル
私の会社だけかもしれません。
人事制度は、大企業の人事制度も手掛けたというコンサルタントが入り改訂しました。
以前は簡単な項目に自己評価と上司の評価を1~5点で記載し、面談してすり合わせる方法でしたが、現在は100点満点で20以上の様々な項目に自己採点し、その理由も記載します。余裕で1日潰れるレベルです。
大企業がどのような人事制度なのかは知りませんが、めちゃくちゃしっかりした人事制度になりました。
しかし問題は「人事制度だけは」という点です。
一般的に人事考課はボーナスなど社員にとって非常に重要なものですが、この人事考課が反映されることはありません。
上司から部下へのフィードバック等は無くなり、ただ面倒な紙の項目を埋める作業になってしまいました。以前は項目が簡単だったからこそ、色々なフィードバックがあったのですが、今ではありません。
身の丈に合わないことをして社員のモチベーションは低下しているいい例だと思います。
特徴5:給与に関する福利厚生は厳しい。
例えば家賃補助や交通手当。詳細は省きますが、めちゃくちゃ厳格なルールがあります。少しでも該当しないと手当が出ません。
今では、同一労働同一賃金の名のもとにこれらの手当ほぼすべてが廃止の方向です。
現在いる社員は手当がなくなると給料減になるので、別の名目での手当になっていますが、今から入社する社員には諸手当は元々ありません。
手当込みでも手取り18万くらいなのに、手当なくなったら暴動起きるんじゃないかと思います。
今の新入社員はそれすら知らないのです。
特徴6:同族経営
中小企業には本当に多いです。現社長は前社長(現会長)の息子、社長の兄弟は取締役。
一概にすべての同族経営を否定するわけではありませんが、家族だから特別扱いしているような会社はやばいです。
私の会社では、社長の弟が取締役兼営業本部長という肩書で特に仕事もせず会社にいます。
前社長の妻、つまり現社長の母親が副社長、現社長の妻も取締役です。
おかしいと思ったのは、コロナ渦で会社の業績が落ちているので社員のボーナスはすずめの涙ほどしか出ませんでした。これについてはどこもそうなので理解していたのですが、役員報酬は満額出ているようでした。
社員のお金(ボーナス)に手を付けて自分の私腹を肥やすのはやばいなと思いました。
もう一点。
社長の弟が以前、社内結婚しました。相手は事務の高卒7年目くらいの人でした。結婚自体はおめでたいことなのでいいのですが、その女性が産休明けに取締役になりました。
今まで同僚だった人がいきなり取締役になるなんてありえるのかわかりませんが、それ以降は会社にもほとんど出社せず、役員報酬だけはもらっていると聞きました。
自分の家族だからって特別扱いし^過ぎではないかと思いましたし、不満も多かったですがうやむやになり今でもそのままです。
特徴7:研究開発より製造・生産が一番大事
私が研究開発部に所属しているから感じたことかもしれませんせんが、会社、特にメーカーは研究は非常に大事です。
日々新たな技術や製品を生み出すことが付加価値に繋がり、会社の利益を伸ばすのです。
しかし、研究開発費を増やしたからと言ってその分利益が上がる保証もありません。経営者はこの点を理解しなければいけません。
研究開発費は上げず、現状の製品をパッケージを変えたり配合量を少しいじっただけでリニューアルと称して販売する。こんなことばかりしている会社は伸びません。
工場への設備投資や規模拡大も確かに重要です。しかし研究を全くしない会社に未来はないです。
どちらも重要なのは間違いありませんが、目先の利益だけを取りに行こうとすると中長期的な発展はありません。
もし心当たりがあるなら危険です。会社は今より規模が大きくなることはありません。
私の会社は、中堅で知識も経験もある研究部員を製造部に異動にするくらい研究開発を軽視しています。
研究なんかどうでもいい!とりあえずものを作れ!は危険な考えです。
特徴8:30代の中堅社員がごっそりいない
やばい会社にはだいたい当てはまります。
働き盛りの中堅社員はほぼ皆無で、残っている社員を見ても癖のある人ばかり。
入社して5年くらいたつと、会社の様子ってだいたいわかってきますよね。
やばい会社と分かったときに取る行動は2つです。
①転職する。②残る。
自分の能力に自信が無かったり、そもそもやる気が無かったりする社員は②を選びます。その結果、残っている社員からは覇気が感じられないです。
そしてある程度仕事ができたり、将来に不安を感じた人は辞めます。今は転職が当たり前の時代です。
無理してやばい会社に残る必要はありません。もしかしてやばいかも?レベルの会社も同様です。
しがみつかなくてもいいという考えの人が増えた結果、会社にいる中堅社員を見るとだいたいわかります。
そして30代は結婚などライフスタイルの変化もある年代です。給料や待遇などで問題があるとわかれば家族を養えないのでやめる人も増えます。私もその一人です。
私の会社にいる30代で既婚者は片手で収まります。男性社員の8割以上は独身だと思います。
私の研究開発部15名(男女含む)で既婚者は2名です。20代以下は4名です。50代の部長、40代の課長も独身です。これでだいたい伝わると思います。
30代の先輩社員と仲が良いなら、なんで会社に残っているのか聞いてみてもいいかもしれません。
特徴9:常に人手不足
待遇が良くないので求人を出しても来るわけがないのは容易に想像できます。
私の会社では、特に工場で人手不足になっていました。
原因は簡単で給料が低いからです。
その割に仕事量は多く、残業も当たり前です。残業は上述の通りほぼ出ません。
そもそも人が足りてないので、今いる人にしわ寄せがきます。おそらく他の工場よりかなり大変だと思います。
機械オペレーターは通常1~3ヶ月ほど研修期間があり、その後一人で問題なく動かせるか確認してから一人立ちするマニュアルです。
しかし、人が足りず教える人がいないので新入社員が入社3日目から1人で動かすことも日常茶飯事でした。
なのに収率が悪いと上司に怒られ、顛末書を書かされます。満足に教えてもらってないのだから当然だと思いますが。
私は退職までの1ヶ月、工場の応援という形でオペレーターをしましたがこのときは研修すらありませんでした。もちろん未経験です。
1ヶ月毎日8時間、立ちっぱなしでよくわからない機械を動かす。めちゃくちゃ大変でした。
何年もやるのは私には不可能だと思いました。
給料が良いならまだしも、手取り15万とかしかもらえないような会社で誰が働きたいと思うのか。
求人出すだけでは人は来ません。
最低賃金レベルしか出せないような会社は今後の未来は絶対にありません。
特徴10:退職する社員には特に厳しい
「特徴9:常に人手不足」でも説明しましたが、特に工場で人手不足になりがちです。
求人を出しても人が来ない以上、現在いる人員でなんとかしないといけません。
そうなると、私のような開発部、総務部などが工場に応援に行くことになります。
私の会社の工場は労働環境が悪く、社員は1年持てばいいほうです。
私が上司に退職を報告し、退職日が決まった翌日に「工場の応援に行ってほしい」と言われました。
有給消化も加味しての最終出勤日も決まっていましたが、上司から渡されたスケジュールには、退職日ギリギリまで工場に行くように日程が組まれていました。もちろん私の了承などありません。
「これでは有給消化ができないので無理です。」
当然の反論ですが、上司から返ってきた言葉は
「どうすれば出勤できるようになるか考えろ。」
でした。退職するんだから最後くらいは会社のために働けとのことでした。
有休は労働者の権利です。退職するから有給消化させないのは法律違反です。
そんなことは当たり前のことですが、一番悲しかったのは、いくら上司でも同じ労働者です。それなのに有休を消化できない。権利を行使するなというのですから、謝罪の1つくらいあって然るべきではないでしょうか。
さも当然のように退職日ギリギリまで働かせようとする上司に心底嫌気がさしました。
それまでは優しい上司だと思っていても、辞めることになったら態度が急変する人もいます。
私はお世話になったからと強く言えませんでしたが、これを読んでいて退職を考えている人は会社や上司にどんなことをされようと強い態度で臨んでほしいと思います。
さいごに
退職記念に自社紹介をしてみました。
本当はまだまだ闇があるのだと思います。
中小企業の闇は深いです。
私は5年間、無能だからどうせ転職なんてできない。やっても苦労する。と考え、しがみついてきました。
本当はもっと早く逃げ出すべきでした。
私のように悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。
そんな人も最初の一歩を踏み出してほしいと思います。
私で出来たのだから、みなさんなら余裕です。
この記事がみなさまの危機感をあおって、行動に移る人が一人でも増えれば非常に嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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